ワークショップ Workshop
ワークショップとは!
ワークショップとは、集団合議により、組織に内在する問題点・課題を抽出し、それを課題として浮き彫りにする話し合いの場のことをいいます。ワークショップを実施することにより、組織に内在する問題点を浮き彫りにし、参加者による創造的な改善施策の検討を行うもので、合意の形成や組織の活性化、風土刷新、従業員の士気(モラール)の向上に役立ちます。
多くの企業では、計画を立案し、その目標を細分化して役割分担を行った上で実行・管理を行ったとしても、その目標はなかなか達成できません。その原因は、多数考えられますが、その一つに組織の内部に埋もれている本質的な問題が未解決であったり、日々発生する問題を解決する仕組みがないことに起因するものがあります。同様に、メンバーの意思統一や風土の刷新(意識改革)が不足しており、従業員の士気(モラール)が低い場合も、あまり成果は期待できません。
従業員は日々業務を遂行するにあたって様々な問題点に直面しています。多かれ少なかれどこの企業にも、そうした問題は生じるのですが、業績がよい企業はそれらの問題を解決する仕組みを有しています。従業員の数が少ないうちは、経営者の目が行き届き、トップダウンで問題が解決されるケースが多いようです。しかし、従業員数が増加してきた場合には、業務プロセスに内在する問題点や、メンバーが職場で抱えている阻害要因を、経営トップまで吸い上げ解決を図る仕組みが必要となってきます。
そのひとつの手法が、ワークショップです。ワークショップは、小人数による集団合議により、組織に内在する問題点・課題を抽出し、その課題を浮き彫りにし共有すると同時に、参加者による創造的な改善施策の検討を行うものです。自分たちの課題を自ら考えることで、組織への帰属意識や士気(モラール)の向上も期待できます。
ワークショップを実施する際は、討議内容が目的に合致した方向にそって、活発に議論が進められるよう進行役がいると、実りの多いワークショップを開催することができます。特に毎日の業務で顔を合わせ、しがらみをもつ組織内部の者同士が集まる場合、組織内部の方が進行役をつとめられるより、外部の第三者がファシリテイターなどとして介在する方が、話し合いが客観的になり、議論が活性化する場合があります。
ワークショップで組織を活性化!
ワークショップは、組織を活性化するための有効な手段です。その成果は、開催目的により異なりますが、商品やサービスの改善、顧客満足の向上、ひいては業績の向上など幅広い分野での貢献が期待できます。特に、すでに活発な活動を行っている組織で採用すれば、組織の中に眠っていた知識が掘り起こされ、新たなノウハウとなって蓄積されるなど、ワンランク上の組織能力の向上が期待できます。
一方、次のような兆候が見え、組織の活力が低下している企業では、ワークショップによる意思疎通の円滑化や組織風土の改善を、進めることが必要であると思われます。
- 業績の上がらない原因を他人の責任、特に経営者・上司のせいにする。
- 議論や批判だけで、行動が伴わない。
- 会社に不利な情報や、業務上の問題点が経営者に伝わってこない。
- 各自の役割、責任と権限があいまいである。
- 会社の将来像と当期の目標・アクションプランを従業員が理解していない。
- 会議やミーティングが形式的になっている。また、議論のための適切な準備がされていない。
- 何につけ、あきらめのムードが漂っている。
- 異なる意見や考え方を持つ人を排除したり、圧力をかけたりする。
- 以前より、仕事に関する楽しげな会話が減った。
ワークショップは、これらの組織のコミュニケーションを促進し、体質改善や風土刷新を行い組織を活性化するための第1歩となります。組織を活性化するには、従業員の皆さまが、それぞれの業務・役割にやりがいを感じ、主体的に取り組む体制を作り上げることが大切です。それには、人事制度や処遇なども大きく影響を及ぼすところですが、組織に自分の意見が反映される事により組織運営に参画するという満足感も、組織への帰属意識を高め、後の主体的行動を促す重要な要因になると考えられます。
また、従業員一人一人にとっても自分と組織の関わりを見つめ直すチャンスとなり、自分は何のために働くのか、組織は自分にとってどういう存在なのか、自分は組織に対し何を(どんな能力を)もって貢献するのかなどを見つめ直す機会となり、仕事へ取り組む動機や貢献意欲などが高まっていくという効果も期待できます。
※ ワークショップを開催する事は、結果として経営学者C・バーナードのいうところの組織の三要素、すなわち「共通目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」に働きかけることになります。
ワークショップに求められるスキル!
効果的なワークショップを開催するためには、一定のスキルをもった進行役(ファシリテーター)の存在が欠かせません。
一つめは、「場のデザイン」を行うスキルです。これはワークショップの計画段階において、どのようなメンバーを集め、どのような方法を選択しどのような手順で議論を進めるのか準備を行う技術です。開催の目的や目標を確認し、活発に意見交換を行うための準備を行います。
二つ目は、「対人関係」のスキルです。議論に必要な発言が活発に行われるよう、話を聞く技術や、質問で意見を引き出す技術、やんわりとした示唆によって話し合いを方向付ける技術などが求められます。
三つ目は、「議論の構造化」のスキルです。これは、曖昧な主張を明確にし、お互いの真意を正しく理解し、意見がかみあうようにすること。また、全体像をつかみ、多用な視点から議論を行い、その議論を整理し構造的に捉える技術です。そのためには、必要に応じ、議論を図解するなどテクニックが必要となります。
四つ目は、「合意形成」のスキルです。議論の中で発生する対立を、適切に解消し、合意を形成するための技術です。言葉の奥の本音を探り、適切な方法で議論をまとめあげる技術が必要となります。
これらは、議論を活性化するための場を共有し、個々人の意見を発散し、その意見を収束し、決定するプロセスにそって求められます。(参考文献“堀公俊,『ファシリテーション入門』,日本経済新聞社,2005年”)
ワークショップは事前準備と事後の対応が大切です!
上記のように、ワークショップを行うには、開催前に事前の準備が特に重要です。事前準備では、経営者や幹部、ご担当者等と事前の打ち合わせを行い、ワークショップの目的を確認し、期待される成果が得られるよう、綿密に計画を行います。
その際には、日時、場所の他に、
- 討議に参加するメンバーの範囲は、代表者選抜か、全員参加とするか。
- 討議の際のグループ分けは、役割や部門をどのように構成するか。
- 討議の際のグループ分けは、参加者の職位(階層)について、どのように構成するか。
- 事前告知はどの程度、どのような方法で行うか。
- 事前のアンケートや個別面談(ヒアリング)は必要か。
- 1回限りの開催か、複数回にわたり継続的に行うか。
- ワークショップは問題抽出→解決策の提案→解決策の決定、のどこまでを行うか。また、権限移譲をするか、否か。
などの内容を取り決めます。
また、ワークショップは終了後が大変重要です。従業員は、経営幹部が自分たちの意見や取り決めについて、どのような反応を示すのか、虎視眈々とみています。ワークショップの結果を経営幹部がしっかりと受け止め、ひとつでも多くの提言について、前向きのリアクションや改善策を講じることで、従業員の満足度は高まります。そのリアクションのあり方によって、ワークショップの成果は大きく異なってまいります。
ワークショップでチームビルディング!
会社が成功するためには、組織を牽引するリーダーの存在と、仲間が思いを一つにして、ゴールに向かい協力して進んでゆける組織作りが欠かせません。
特に、社員がトップの戦略を理解し、目標を達成するために主体的に行動し、適正な価値評価と判断を行うことが大切です。また、各メンバーがおたがいの長所を認め合い、おたがいの短所をカバーし合うことのできる問題解決力高い組織能力の開発が欠かせません。
ワークショップは、そうた組織へ変貌を遂げようとする経営トップの意思を社員へ知ら しめ、変化を促すためのきっかけとなることでしょう。

