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会社が役員貸付金を計上している場合の留意事項

2011年11月 2日 19:55

 大王製紙前会長が会社から100億円超の資金を借り入れていたことがわかり、巨額な融資についての捜査が進められていることが報じられています。大会社においては経営と資本が分離されていますので、会社と役員の取引は利益相反しますので、厳格なル-ルのもとで通常は排除されます。

 一方、中小企業、特に同族会社においては役員への貸付を行うことが少なからず行われます。取締役会の決議を経て金銭消費貸借契約によって適切に実施される貸付や仮払金や立替金を貸付金として振替処理されたものなどがあります。そのため役員貸付金を計上した場合の留意事項について考えてみました。

 税務上の留意点

 会社が役員に貸付をした場合には、必ず利息を計上する必要があります。株式会社は営利を目的としていますので無利息で資金を貸す行為はおかしいと考えられています。

 では、どれくらいの金利の利息を計上すればいいのか、所得税基本通達では次のように定めています。 

 その貸付が会社が他から借入れて貸し付けたものであることが明らかである場合には、その借入金の金利により、その他の場合には貸付を受けた日の属する年の前年の11月30日を経過する時におけるいわゆる公定歩合に年4%を加算した利率によることとされています。

 金融機関からの評価に対する留意店 

 銀行融資を受けるにあったっては資金使途が何かを求められますが、会社の財務諸表に役員貸付金が計上されている場合、会社の運転資金として調達したにも関わらず、社長個人の資金として使われているのではないかと疑われ厳しい指摘をされることがあります。迂回融資といって会社で調達した資金を役員個人や取引先に貸付けを行っているなどは不正融資につながりますので、決算時には役員との貸借は精算いたしましょう。

長期間返済が行われずに滞っている役員貸付金は、キャッシュインがなく財産価値がないものと見られてしまいますので、返済条件を定めて契約書を作成し定期的に返済を行ってください。 

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